*本ページはLidoの公式文書である「Lido Docs」に格納されたhttps://docs.lido.fi/staking-modules/csm/penaltiesを日本語に翻訳したものです。本モジュールの対象者が個人やアマチュアのETHステーカーである「コミュニティ・ステーカー」や近い将来にEthereumのバリデータとなることを検討している個人である点を考慮し、一部原文にはない補足説明を行っています。
<aside> <img src="/icons/code_blue.svg" alt="/icons/code_blue.svg" width="40px" /> もくじ
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CSMノードオペレータの担保がペナルティを受ける主な理由は以下の3つです:
1 ETH
です。amount stolen + fixed stealing fine
で示されます。このペナルティは、複数のノードオペレータのバリデータにわたって適用されることがあります。DEPOSIT_AMOUNT
(32ETH)より小さい:ペナルティ額は = DEPOSIT_AMOUNT - validator's withdrawal balance
であり、差分に当たる箇所がペナルティの額になります。ペナルティ1.は、EIP-4788を使用してスラッシュが確かに起きてしまったことがpermissionlessに報告されます。このペナルティは報告されたトランザクション内で即座に施行されます。
ペナルティ2.は遅行ペナルティの形式を取り、ペナルティ執行前にMEV盗難が本当に起きたのかを捜査するチャレンジ期間があります。管轄の委員会(レポーター)がMEVの盗難(ELリワードをモジュールではなく任意のアドレスに送付することなど)を検出し、この事実をオンチェーンで報告して該当バリデータの担保資金をロックします。なお、Lidoのブロックプロポーザル・リワードポリシーではELリワードを一旦モジュールに送ることが定められています。DAOと委員会の議論はEasyTrack動議(決済者)を通して調整され、MEVの盗難が確定した場合にペナルティの決済を実行します。ペナルティが確定し決済されると、プロトコルルールの違反が確定し、該当ノードオペレータの利益はリセットされます。ペナルティがチャレンジ期間( retention_period
)内に決済されない場合、ロックされた担保は自動的にアンロックされます。
ペナルティ3.は、バリデータの引き出し残高を使用して計算されます(残高不足がどの様にレポートされるのかについてはこの後のセクションで説明します)。このペナルティは報告されたトランザクション内で即座に適用されます。最初のスラッシュペナルティ(ペナルティ1.)が適用される場合、二重のペナルティを避けるために施行が考慮される場合があります。
CSMでは、以下の2つのペナルティスキームが導入されています:
遅延ペナルティのチャレンジ期間は、ペナルティの適用に関与する2つの役割を設置することで実装されています。
最初の役割はレポーターです。この役割のメンバーは、ペナルティに繋がる事実を最初に報告することができます。この段階では、担保資金がロックされますが、没収はされません。レポーターは、チャレンジの結果、ノードオペレータに有利な証拠が揃った時にペナルティ報告を取り下げることもできます。
2つ目の役割は決済者と呼ばれます。この役割のメンバーは、報告されたペナルティを最終決定(決済)することができます。この時、決定と決済という語が同時に使われるのは、決済者によってペナルティが確定した場合、彼らによってノードオペレータの担保が差し引かれるためです。
これら2つの役割を分離することで、2つの独立した機関が同意した場合に限り、ペナルティが決済されるようになります。