*本ページはLidoの公式文書である「Lido Docs」に格納されたhttps://docs.lido.fi/staking-modules/csm/intro/を日本語に翻訳したものです。本モジュールの対象者が個人やアマチュアのETHステーカーである「コミュニティ・ステーカー」や近い将来にEthereumのバリデータとなることを検討している個人である点を考慮し、一部原文にはない補足説明を行っています。

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バリデータ(validator)、キー(key)、バリデータキー(Validator key)、デポジットデータ(deposit data)の語は本ページの中で同じ意味を持ちます。

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 サマリ

コミュニティ・ステーキング・モジュール(Community Staking Module、以下CSM)は、個人やアマチュアのETHステーカーである「コミュニティ・ステーカー」にLidoのノードオペレータとしてバリデータを運用する動機付けを行うpermissionlessなステーキングモジュールです。ノードオペレータとしてCSMに参加するための要件は少なく、Lidoのポリシーに従ってバリデータを運用できることと、担保金として数ETHを事前に預け入れることです。

CSMでは、自身が担保として預け入れたETHと引き換えにLidoから割り当てられるETHを用いてノード運用を実施します。Lidoから割り当てられるETHは、有効なキーが提出された順序でバリデータに提供されます。担保金のETHはコミュニティ・ステーカーが実際に運用するバリデータとは直接関連しておらず、代わりにノード運用をpermissionlessに行うための担保として扱われます。担保金の預け入れはLido上のノードオペレータすべてに通ずる義務であり、スラッシング被害など有事の際はすべてのノードオペレータが預け入れた担保の総和を動員することも可能です。このメカニズムによりLidoエコシステムとしての担保金総額を大きくすることができ、その結果、各人が預け入れる担保金額を小さくしています。つまり、ノードオペレータが運用するバリデータの台数が多ければ多いほど、1つのバリデータに対する担保金は少なくなります。

ノードオペレータは、担保金の額に応じたリワード(bond rebase)とノードオペレータのパフォーマンスに応じたリワード(Node Operator rewards)の2種類のリワードを獲得します。Node Operator rewardsに関しては、運用するバリデータが定められたしきい値以上のパフォーマンスを発揮した場合に限り、そのしきい値を超過したノードオペレータらでリワードを山分け(socialized)されます。

CSMはpermissionlessなモジュールであるため、各バリデータのパフォーマンスを維持するための予防策としてペナルティメカニズムも有しています。過度なアテステーションミスをはじめとするコンセンサスレイヤー(CL)のペナルティ額が担保金の初期預け入れ残高を下回った場合や、MEV報酬を含むエグゼキューションレイヤー(EL)リワードを盗んだ場合は、これらの損失を担保金から徴収します。バリデータの運用終了に関してもpermissionlessなため、ノードオペレータ各位は、望むタイミングで運用を終了することができます。また、パフォーマンスの悪いノードオペレータの担保金徴収額を小さくするために、Lido側でもバリデータの運用終了をオンチェーン上でpermissionlessに実行することも盛り込まれています。

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